海外FX業者を選ぶときに気にする項目の1つがスプレッドです。
- スプレッドがどれくらい狭い(低い)のか
- スプレッドはどれぐらい安定しているのか
- スプレッドが変動するタイミングはいつか
今回の記事では、海外FXブローカーのスプレッド値の比較やスプレッドが広がるタイミング、スプレッドに関する基本的な知識などをまとめています。
これからFXを始める人、どこの海外FX業者を使うか迷っている人、スプレッドについて詳しく知りたい人の参考になれば嬉しいです。
主要な海外FX業者11社のスプレッド比較一覧
スプレッドについては国内と海外のFXでそれぞれ特徴があります。
たとえば
- 国内FX:ドル/円のスプレッドが狭い傾向がある
- 海外FX:業者によって様々
日本国内でのFXではドルと円のトレードがかなり活発なので、基本的にドル円のスプレッドが狭くなっているケースが多いです。
それに対して、海外FXはブローカーによってスプレッドの傾向は様々で、ドル円のスプレッドが狭いところもあれば広めに設定している業者もあります。
ここでは主要な海外FXブローカーのスプレッドを一覧にまとめておきます。
海外FX業者 | USD/JPY(米ドル円) | GBP/JPY(ポンド円) | EUR/JPY(ユーロ円) | EUR/USD(ユーロ米ドル) |
GemForex | 0.0銭 | 1.0銭 | 0.5銭 | 0.0pips |
Tradeview | 0.1~0.4銭 | 0.2~1.6銭 | 0.3~0.8銭 | 0.1~0.5pips |
HotForex | 0.3~1.0銭 | 0.1~1.2銭 | 0.1~0.6銭 | 0.1~0.5pips |
LAND-FX | ~1.5銭 | 0.1~2.0銭 | 0.1~2.0銭 | 0.1~1.3pips |
AXIORY | 0.1~0.7銭 | 0.3~1.7銭 | 0.2~0.9銭 | 0.1~0.7pips |
XMTrading | 0.1~0.6銭 | 0.1~1.3銭 | 0.1~0.7銭 | 0.1~0.6pips |
TitanFX | 0.1~0.6銭 | 0.6~2.0銭 | 0.2~1.0銭 | 0.1~0.6pips |
is6com | 0.8銭(固定) | 1.5銭(固定) | 1.1銭(固定) | 0.7pips(固定) |
iForex | ~1.8銭 | ~2.5銭 | ~2.3銭 | ~1.8pips |
TradersTrust | 0.3~0.7銭 | 0.3~1.5銭 | 0.7~1.1銭 | 0.3~1.2pips |
FBS | 0.2~0.6銭 | 0.5~2.1銭 | 0.1~0.9銭 | 0.1~0.4pips |
※スプレッドは常に変動するのであくまでも参考値です。
※固定スプレッドは原則なので、経済の状況によっては変動する可能性も考えられます。
pipsと銭の違い
pipsも銭もFXで使われる単位としての意味はまったく同じです。pipsとはpercentage in pointを指します。
こちらの銭という漢字を採用する理由は取引する通貨ペアの片方が日本円だからです。
取引する通貨ペアの片方が日本円(クロス円といいます)だと、スプレッドは基本的に銭を単位に使います。
一方のEUR/USD(ユーロ/米ドル)やGBP/EUR(ポンド/ユーロ)のように、通貨のペアが日本円以外の組み合わせだとpips(ピップス)を使います。
GemForexにはノースプレッド口座とオールインワン口座がある
スプレッドの狭さであればGemForex(ゲムフォレックス)のノースプレッド口座がかなり狭いといえます。
ノースプレッド口座を使えば手数料もかかりません。2017年末にスプレッドが広いというユーザーの声をきっかけに改善を施しました。
- オールインワン口座(STP方式):EAやボーナスあり
- ノースプレッド口座(ECN方式):EAやボーナスはないがスプレッドが狭い
通貨ペア | オールインワン口座(STP方式) | ノースプレッド口座(ECN方式) |
USD/JPY | 1.2銭 | 0.0銭 |
EUR/USD | 1.2pips | 0.0pips |
GBP/USD | 1.5pips | 0.8pips |
EUR/JPY | 1.4銭 | 0.5銭 |
GemForexは最大レバレッジの1000倍に加えて、最狭スプレッドがあるのでスキャルピングトレードにはもってこいの海外FXブローカーだといえます。
FXにおけるスプレッドとは
FXの「スプレッド(spread)」とは、FXトレードを行うときに発生する売買の取引時の為替レート差のことで、直接FX業者の利益になる手数料の部分です。
スプレッドはあらゆる通貨取引を行うときにFX会社を利用するからには、必ず発生するもの。
それぞれの国内FXブローカー、海外FXブローカーでスプレッド値の設定は異なってきます。
固定/変動スプレッド
スプレッドはどこのFX業者も一律で同じではありません。スプレッドを原則固定にしている事業者もあれば、変動幅が頻繁にある業者もいます。
たとえば、国内FXブローカーはほとんど固定スプレッド(原則固定)が多く、それに対して海外FXブローカーは、変動スプレッド制を採用しているケースがほとんど。
- 固定スプレッド:スプレッド幅が常に一定で動かない
- 変動スプレッド:スプレッド幅が時間帯やその他の理由により変化する
固定スプレッドも「原則」と表記されていることが多く、世界情勢の変化など何らかの重要な事象が起きたときには、レートが変動する可能性はあります。
たとえば、スプレッドが変化するときは注目度の高い経済指標の発表やイベントの前後、クリスマスの時期や年末年始、ゴールデンウイークなどのマーケットの参入者が減っているタイミングで変化が起きやすいです。
スプレッド値は経済状況によっても変化する
スプレッドの値には例外があり、経済的な理由で相場が急変動しているときや流動性が低下している時などはスプレッドが拡大する場合もあります。
スプレッド幅は各業者が自由に設定しているものなので、予測不能な変動があったときには
原則固定だったスプレッドが上手く機能しないケースも起こりえます。
株式市場や為替市場等も不安定な状況が続いており、相場が急変動したり、スプレッドが急拡大する等の状況が続いております。今後もこのような状況が続くことを鑑み、店頭FX(岡三アクティブFX)のすべての通貨ペアにおいて、原則固定のスプレッドでのレート提示を一時的に停止いたします。
スプレッドが変動しやすい理由
スプレッドが変動しやすい理由は、取引をカバーするという注文プロセスの違いが挙げられます。
海外FX業者では、トレーダーの注文をそのままカバー先の銀行へつなげているところが多いです。
カバー先の銀行とは、それぞれの海外FX事業者が契約している銀行のことで、これをNDD方式といいます。そして、カバー先の銀行の状況/事情によりスプレッドも変動しやすい特徴があるわけです。
その一方で、国内FX業者はトレーダーからの注文を一旦社内で止めてから処理するDD方式を採用している場合が多く、スプレッド管理しやすい特徴があります。そのため、固定スプレッドの実現もしやすくなります。
NDD方式はスプレッドも広がりやすい
海外FXで採用しているNDD方式はスプレッドが広がりやすいデメリットもあります。
- NDD方式(No Dealing Desk):海外FX業者に多い
- DD方式(Dealing Desk):国内FX業者に多い
NDD方式の場合、カバー先の銀行でも対処できないような経済的な不測の事態が発生すると、スプレッドが急激に広がります。
2015年に起きたスイスフランショックでは、世界最大の市場であるロンドンのマーケットでさえ、ユーロスイスの価格を出せないほどの事態が発生しました。そのため、NDD方式を採用していた業者は破綻に追い込まれたところもありました。
海外FX業者のほとんどは基本的にゼロカットシステムがあり、追証が発生しません。したがって、トレーダーの負債を肩代わりしてその額が大きいと、そのまま破産に追い込まれてしまうわけです。
スプレッド以外の手数料も発生する|ECNとSTP口座とは
国内のFX事業者と違って、海外FXでは同じ業者の中にもいろいろな口座タイプがあります。口座タイプを大きく分類すると2パターンあり「ECN口座」と「STP口座」に分けられます。
STP口座とECN口座の違いをスプレッドに注目してまとめると以下の通りです。
- STP口座:スプレッドに業者の手数料が前もって含まれている口座※取引手数料無料と記載されていることが多い
- ECN口座:スプレッドが極めて狭い(0.0pipsなど)だが、取引するごとに別で取引手数料が取られる
一見するとスプレッドが狭いので、ECN口座に飛びつきたくなりますが、取引手数料が別途かかる点もしっかり知っておくべきです。
STP口座とは
STPとはStraight Through Processingのことで、注文してから約定し決済するまでの一連の流れをシステムで自動処理します。
ECNと同じく海外FX業者がトレードに直接関わらないので透明性が高い取引方式です。
STP口座:2つの特徴
STP口座の特徴は2つあります。
- 流動性(リクイディティ)による約定力の高さ
- スプレッド以外にかかる毎回の取引手数料が発生しない
STP口座は流動性(リクイディティ)がとても高く、約定スピードも速くスムーズにマッチングしてくれます。
また、スプレッドはECN口座よりも高くはなりますが、それ以外に発生する毎回の取引手数料はかかりません。
ECN口座とは
ECNとはElectric Communications Networkのことで電子商取引を意味します。電子取引市場でのトレードということ。
電子取引市場はネット上にある中立的な取引を行う場所であって、トレーダーからの注文はすべてダイレクトに電子取引所に流され、コンピューター処理によって売買が自動マッチングされるシステムになっています。
ECN口座:2つの特徴
ECN口座の特徴は2つあります。
- 取引の量で約定力が決まる
- スプレッドは狭いが手数料が発生する
ECN口座は注文量が多ければ多いほど約定力を発揮してくれます。
取引する量が少ないと、流動性が低下し注文をマッチングさせづらくなるので約定力が下がります。取引量が多いとマッチングのスピードも上がり、約定スピードもアップします。
また、スプレッドの狭さは際立ちますが毎回の取引でかかる手数料も考慮に入れておく必要があります。
各事業者で口座の名称が異なる
STP口座とECN口座は、各々の海外FX業者によって名称が違うことがあります。
日本人にも人気のあるブローカーのXMTradingでは、STP口座をスタンダード口座、ECN口座をZero口座と呼んでいます。
他にも
ECN口座 | STP口座 | |
XMTrading | Zero口座 | スタンダード口座 |
AXIORY | ナノスプレッド口座 | スタンダード口座 |
FBS | ECN口座 | スタンダード口座 |
TitanFX | ブレード口座 | スタンダード口座 |
STP口座はスタンダード口座として呼ばれているケースが多いのがわかります。
ECNのスプレッドはかなり狭く設定されていますが、実際のところは毎回別に取引手数料が発生するので「スプレッド+取引手数料=実質コスト」というイメージになります。
この実際にかかるコストのことを「実質スプレッド」と呼ばれています。
要するに変動スプレッドを取り入れている海外FXのECN口座では「実質スプレッドがいくらになるか」を計算することができれば手数料面での損は回避できます。
しかし、そもそもスプレッド自体が変動する特性があるので正確なコストを導き出すのはかなり難しいといえます。
また、自分が「どういったスタイルのトレードをするのか」によっても口座の選び方は異なってきますからね。
海外FXのスプレッドは市場での取引量で変動する
海外FXにおけるスプレッドはインターバンクである銀行が取引量などに応じて随時決めています(そのため変わることも多い)。
ECN口座の場合は、インターバンク市場で決められたスプレッドがそのままトレーダーへ提示されるますが、STP口座の場合はインターバンク側のスプレッドに業者側のスプレッドを上乗せ(マークアップ)して、ユーザー側に示していることになります。
- 市場での取引量が増えるとスプレッドが狭くなる
- 市場での取引量が少なくなるとスプレッドが広くなる
まとめると上記のイメージでスプレッドが変化しています。
時間帯でスプレッドが変動する
取引する市場の時間帯によってもスプレッドは変化しやすいです。FXは平日の5日間、24時間トレードが原則可能です。
日付が変わると、真っ先に開かれるマーケットはウェリントン市場(ニュージーランド市場)、その次にシドニー、東京、シンガポール、ロンドン、ニューヨーク市場の順に外国為替市場が開いていきます。つまり、24時間世界の為替マーケットがどこかしら開いているということ。
ただし、時間帯(タイムゾーン)の違いで、取引される通貨量が減ったり、いきなり増加したり…と時間帯によって特徴があります。
そして、世界にちらばる為替市場の中でも最も重要なのがロンドン市場とNY市場で、世界の通貨取引量の50%以上を占める規模を誇ります。
したがって、これら2大マーケットが重なっている時間帯は最もトレーダーが多く参加することになり、取引量も最大の時間帯(スプレッドが狭くなる時間)ということになります。
日本時間に換算すると22:00~2:00(夏時間:21:00~1:00)で為替相場の値動きが、最も活発になる時間帯です。
逆に東京やロンドン、NY市場が閉まっている日本時間の5:00~8:00頃は取引参加者が非常に少ないので取引量も減りスプレッドがいつもの平均値を上回り、大きく広がってしまうわけです。
スプレッドが広がる時間帯を避ける
スプレッドは朝の時間帯に広がりやすいことは一般的に知られていること。
ですから、時間帯によるスプレッドの影響を受けたくないトレーダーは、スプレッドが広がる朝のタイムゾーンを避けてトレードをした方がいいです。
経済的な要因によるスプレッドの変動
経済的な出来事がキッカケに起きるスプレッドの変動は避けられません。
過去に起きたスイスフランショック、リーマンショック、オイルショック、ウイルスの蔓延、世界経済に影響を及ぼす会社が倒産したりと不測の事態が起きるとスプレッドも大きく変化します。
短期的にレートが急変するため、スプレッドの開きも変化しやすいので注意が必要です。
安定したトレードをするときはスプレッドが狭いタイミングを狙って取引をすることで、為替相場が激しく動いている場合の取引は控えておくべきです。
スプレッドが広いと取引コストも大きくなり、保有ポジションがプラスに転じるまでの時間もかかりますし、マイナス側に相場が動くと損切がなかなかできずロスカットされるリスクもあります。
キャッシュバック(ボーナス)などのキャンペーンを利用する
海外FXブローカーにはトレードごとにキャッシュバック(ボーナス)を用意している業者もあります。
このキャッシュバック制度は1lot取引に応じて、特定の金額がトレーダーに還元されるので、ある意味スプレッドとして捉えることもできます。
一見すると「スプレッドが広いな…」と考えている業者でも、キャッシュバックなどの制度を考慮すれば、実質的には少ないコストでトレードができる可能性も十分あります。
もちろんスプレッドそのものが狭くなるわけではありませんが、それぞれの事業者が設定しているスプレッドを比較するときは、このキャッシュバックについても注目してみるといいですね。
参考:海外FX業者のボーナス比較|新規口座開設/入金ボーナスのキャンペーン
スプレッドが狭い海外FXブローカー5選
スプレッドの狭さを強調しているブローカーを5社ピックアップしてみました。
それぞれの特徴を確認していきます。
①XMTrading
XMTradingは日本人トレーダーに絶大な人気を誇る事業者です。
スタンダード口座/マイクロ口座(STP口座)
XMTradingにあるSTP口座は、スタンダード口座・マイクロ口座と呼ばれています。
STP口座はスプレッドが広めに設定されていますが、定期的に実施ているボーナス制度を使うことで実質的な取引コストを抑えられます。
マイクロ口座については取引量の違いで、1回ごろの取引通貨量を抑えたい人には最適な口座だといえます。
Zero口座(ECN口座)
XMTradingで使えるZero口座は、ECN方式なのでスプレッドに取引手数料が上乗せされていません。したがって、スタンダード口座やマイクロ口座と比較するとスプレッドは狭くなります。
ただ、ECN口座は取引の度に別途手数料が発生するため、スタンダード口座(STP口座)と比較するときには、スプレッドと取引手数料を加えた実質スプレッド(実際に1回の取引でかかる総コスト)も考慮しておく必要があります。
Zero口座がコストを抑えられる可能性が高い
トレードに必要なコストのみを考えると、たいていの主要な通貨ペアにおいてZero口座(ECN口座)の方がスタンダード口座やマイクロ口座よりも低いです。
しかし、XMTradingのキャッシュバック制度を加えて考えると、米ドル/円やユーロ/米ドルなどの特定の通貨ペアでは、スタンダード口座の方が取引コストを抑えられる面もあります。(ECN方式であるZero口座は100%入金ボーナス、XMロイヤルティティプログラムなどのキャンペーンは対象外。)
海外FXでボーナスを受け取りたいトレーダーはスタンダード口座を開設しなければ適用されないので注意が必要です。
後になってから口座を追加作成することも可能なので、たとえば海外FX初心者の人は、はじめはスタンダード口座を開設しておいて、取引に少しずつ慣れてきたら狭いスプレッドを求めて追加でZero口座を開設するのもありですね。
②AXIORY
AXIORY(アキシオリー)もXMTradingと同じく、日本人トレーダーからの支持が強いブローカーです。低スプレッドや約定力の高さ、日本語サポートの充実度などが評価されています。
スタンダード口座(STP口座)
AXIORYのスタンダード口座(STP)は、MT4とcTrader(シートレーダー)のプラットフォームが提供されています。
MT4環境でEA(自動売買プログラム)を行ってトレードすることも可能です。
毎回の取引にかかる手数料はスプレッドに含まれているので無料。FX初心者はもちろん、プロのトレーダーまでデイトレード、スイングトレード、キャリートレードでも十分使えます。
ナノスプレッド口座(ECN口座)
AXIORYのナノスプレッド口座(ECN)は、業界でも最狭スプレッドですが毎回の取引で別途手数料も発生します。スタンダード口座と同じくMT4とcTraderのプラットフォームが利用できます。
AXIORYでは総合的な取引コストを考えるとナノスプレッド口座がお得だといえます。スプレッド重視ならナノスプレッド口座の開設を検討してみましょう。
③TitanFX
2014年にサービスを開始したTitanFXは、業界でもトップクラスの狭いスプレッドを誇ることで知られています。
自動売買のEAトレードや短期売買のスキャルピングトレードの規制もなく、幅広いトレードスタイルのユーザーから人気があります。
ただ、TitanFXには新規口座開設ボーナスや入金ボーナスがないので、トレードを行うときは必ず口座へ証拠金を入金しなければいけません。
スタンダード口座(STP)
TitanFXでトレーダーの多くが口座開設しているのがスタンダード口座です。
また、TitanFXではボーナスやキャッシュバックなどのプロモーションがないことも特徴的。その代わりに大幅に狭いスプレッドが設定されているわけです。
ブレード口座(ECN)
スプレッドに取引手数料を考慮しても、主要通貨でかなり低いスプレッド設定になっています。
取引量が多いならブレード口座を使った方がややお得になります。FX中級レベル以上の人におすすめできる口座といえます。
④FBS
FBSには5つの口座タイプ(セント口座、マイクロ口座、スタンダード口座、ゼロスプレッド口座、ECN口座)がありますが、ここでは「スタンダード口座」と「ECN口座」について紹介します。
FBSの魅力は最大レバレッジが業界トップクラスの3,000倍を誇るところ。
また、出金に関しては拒否などもなく、FX初心者でも安心して使える業者の1つといえます。FBSのメリットを最大に活かしたいならスタンダード口座を選ぶといいですね。
スタンダード口座(STP)
FBSのスタンダード口座(STP方式)はスプレッド水準も低めです。
米ドル/ユーロとポンド/米ドルに関してはスタンダード口座の方がECN口座よりも取引コストを抑えられます。さらにキャッシュバックなどのボーナスを駆使することで間接的なコストを下げられます。
ECN口座
FBSにあるECN口座のスプレッドは、非常に狭く超短期売買のスキャルピングトレードにも向いています。
ただ、初回入金では1000ドル(約10~11万円)が必要なことも押さえておくべきポイント。また、ECN口座だと最大レバレッジは500倍までなので、3000倍のレバレッジを使いたい場合はスタンダード口座の開設をおすすめします。
⑤Tradeview
Tradeviewは2004年に設立され、はじめは法人やFX上級者を中心にサービスを展開していました。最低水準のスプレッドや高い約定力が最大の特徴です。
トレード制限も厳しくなく、MT4やMT5、cTrader、CURRENEXなどのプラットフォームが使えますし、日本人でも扱いやすい海外FXブローカーの1つといえます。
スタンダード口座(STP)
Tradeviewは安定感のある環境で日本語対応もしているので、これからFXを始めようとしている人でも安心して使えます。
取引コストを最大限抑えられるのはILC口座ですが、スタンダード口座は1,000通貨からの取引ができるので、証拠金をあまり準備できないトレーダー、リスクをとことん抑えたいトレーダーにとっては良い口座といえます。
ILC口座(ECN)
TradeviewにはLD4というスペックの高いサーバーがあるので、約定スピードも速くサクサクマッチングできます。低スプレッドなので短期売買のスキャルピングにも向いています。
もちろん大量lot注文にも高速でしっかり対応してくれます。また、最大レバレッジはスタンダード口座が500倍かけられるのに対してILC口座は200倍です。
海外FXでスプレッドが狭い|おすすめできる通貨ペア
通貨ペアによってもスプレッドの狭さはまったく異なりますし、海外FXブローカーそれぞれでも変わってきます。
ドル/円(USD/JPY)スプレッド比較
海外FXブローカー | STP口座 | ECN口座 |
XMTrading | 1.6pips | 0.1pips |
AXIORY | 1.6pips | 0.6pips |
TitanFX | 1.3pips | 0.33pips |
FBS | 1.8pips | 0.3pips |
Tradeview | 1.8pips | 0.1pips |
トレーダーにとってなじみ深いのが円と米ドルですね。事実、最も多くのトレーダーが取引しているのがドル円です。
0.1pipsを示しているXMTradingやTradeviewは特に低めに抑えられますね。
ユーロ/円(EUR/JPY)のスプレッド比較
海外FXブローカー | STP口座 | ECN口座 |
XMTrading | 2.5pips | 0.4pips |
AXIORY | 1.8pips | 0.8pips |
TitanFX | 1.7pips | 0.7pips |
FBS | 3.0pips | 0.5pips |
Tradeview | 1.9pips | 0.4pips |
ドル/円ペアに比べるとややスプレッドは広めに設定されていますが、ECN口座を確認するとなかなか低い水準だといえます。
ユーロ/円に関してはXMTradingとTradeviewの水準が特に低いですね。
ポンド/円(GBP/JPY)のスプレッド比較
海外FXブローカー | STP口座 | ECN口座 |
XMTrading | 3.5pips | 1.1pips |
AXIORY | 2.0pips | 1.1pips |
TitanFX | 2.4pips | 1.4pips |
FBS | 4.0pips | 1.1pips |
Tradeview | 2.3pips | 0.5pips |
変動も激しいポンド/円ペアですが、TradeviewのECN口座は特にスプレッドが狭いことがわかります。
ユーロ/米ドル(EUR/USD)のスプレッド比較
海外FXブローカー | STP口座 | ECN口座 |
XMTrading | 1.6pips | 0.1pips |
AXIORY | 1.3pips | 0.2pips |
TitanFX | 1.2pips | 0.2pips |
FBS | 1.1pips | 0.1pips |
Tradeview | 1.7pips | 0.2pips |
STP方式の口座だとFBSのスプレッドも魅力的です。口座開設ボーナスや入金ボーナスを考慮するとECNにまったくひけをとりません。
ポンド/米ドル(GBP/USD)のスプレッド比較
海外FXブローカー | STP口座 | ECN口座 |
XMTrading | 2.3pips | 0.4pips |
AXIORY | 1.2pips | 0.4pips |
TitanFX | 1.6pips | 0.6pips |
FBS | 0.9pips | 0.5pips |
Tradeview | 2.0pips | 0.5pips |
ポンド/米ドルペアはFBSのスタンダード口座が優秀なのがわかります。
FBSはキャッシュバックなどのプロモーションも積極的に行っているので、総合的な取引コストはさらに抑えられるはずです。
豪ドル/米ドル(AUD/USD)のスプレッド比較
海外FXブローカー | STP口座 | ECN口座 |
XMTrading | 1.8pips | 0.4pips |
AXIORY | 1.6pips | 0.3pips |
TitanFX | 1.5pips | 0.5pips |
FBS | 0.8pips | 0.3pips |
Tradeview | 1.9pips | 0.2pips |
豪ドル/円(AUD/JPY)のスプレッド比較
海外FXブローカー | STP口座 | ECN口座 |
XMTrading | 2.3pips | 0.8pips |
AXIORY | 1.8pips | 0.6pips |
TitanFX | 2.1pips | 1.1pips |
FBS | 3.0pips | 0.5pips |
Tradeview | 2.6pips | 0.5pips |
米ドル/カナダドル(USD/CAD)のスプレッド比較
海外FXブローカー | STP口座 | ECN口座 |
XMTrading | 2.1pips | 0.6pips |
AXIORY | 1.8pips | 0.6pips |
TitanFX | 1.6pips | 0.6pips |
FBS | 3.0pips | 0.6pips |
Tradeview | 2.9pips | 0.7pips |
【注意点】海外FXのスプレッドは1つの基準に過ぎない
スプレッドはFX業者によって、さまざまな値が指定されています。
トレードをすればするほどスプレッドが広いと手数料の負担も大きくなっていくので、狭い(低い)方がトレーダーにとっては魅力的に見えます。
しかし、FX業者を決めるときの判断基準の1つです。スプレッド以外にも以下の点は意識するべきポイントです。
- レバレッジの大きさ
- 約定力の高さ
- 取引ツールの使いやすさ
- マーケットの情報量
- ボーナスの有無
- 日本語サポート
ツールの使いやすさ、他のサービスやカスタマーサポートなど総合的にバランスがとれているFX業者を選ぶことがとても重要といえます。
レバレッジの大きさ
レバレッジの大きさは各FX業者によってもまったく異なります。やはりレバレッジの大きさが海外FXをする理由の人がほとんどのはず。
主要な海外FX業者のレバレッジをまとめてみました。
海外FXブローカー | 最大レバレッジ |
FBS | 3,000倍 |
GemForex | 1,000倍 |
XMTrading | 888倍 |
TitanFX | 500倍 |
AXIORY | 400倍 |
Tradeview | 500倍 |
FBSの3,000倍は他社に比べてかなりのレバレッジをかけられますね。
これだけレバレッジをかけてしまうと損失を出してしまうリスクもありますが、ゼロカットシステムがあるので、借金を背負うような最悪の事態にはなりません。
他のブローカーのレバレッジも確認したい人はこちらの記事も参考にしてみて下さい。
>>海外FXブローカーでレバレッジが高いのはどこ※14社比較あり
約定力の高さ
約定とは売買が成立することを指し、約定力は通貨の注文してから売買が成立が行われるまでの速さを意味します。また、約定拒否の少なさや、スリッページの少なさも約定力に関わってきます。
常に変動している為替相場で秒単位での約定スピードは非常に重要です。
注文してから確定するまでに何秒も余計にかかっていたら価格が変わってしまい本来意図する注文価格とのズレが生じてしまいます(スリッページ)。
約定力が高いFX業者を選ぶことで精度の高いFXトレードが可能になります。
取引環境/取引ツールの使いやすさ
取引ツールに関しては、どこのブローカーも力を入れており操作性に優れたものが用意されています。
MT4やMT5などのプラットフォームを使える業者も多いので、環境面ではそれほど大きな差はないでしょう。
>>MT4とは?特長からダウンロード・デモ口座開設・MT5との違いなど完全網羅!
MT4は世界でもトップシェアのプラットフォームで、扱いやすいユーザーインターフェースだけでなく、MT4環境で動くEA(Expert Adviser)という自動売買プログラムを使えるのも人気の理由です。
cTraderに関しては利用できるブローカーはまだまだ少なく、AXIORY、Tradeview、FxProが代表的なところです。
>>cTraderで確認すべき12個の特徴※メリットやデメリットも紹介します
マーケットの情報量
FXに関するコンテンツを豊富に揃えている海外FX業者も多いです。
マーケットの情報もオンライン版の海外有名新聞、金融専門のNEWSサイトの情報を見ることも可能です。
他にも日本語対応したMT4の使い方の動画、FXの用語辞典、FXのコラム、FAQなどの情報を扱っている業者もあれば、最低限の情報だけ載せている業者まで色々あります。
ボーナスの有無
ほとんどの海外FX業者では口座の開設や入金などの条件でボーナス(キャッシュバック)を受け取れる仕組みを用意しています。
具体的には以下のようなボーナスです。
- 新規口座開設ボーナス:3,000円~30,000円をキャッシュバック
- 入金ボーナス:初回入金額の100~200%分をキャッシュバック
まだまだFXの資金を少なく済ませたい人や副業としてFXを行っていきたい人は、このボーナスの制度を上手く活用するのが得策です。
また、GemForexの他社乗り換えボーナスやXMTradingのロイヤルティプログラム、LandFXのリカバリーボーナスなどの独自のキャンペーンを実施している業者もあります。
※ボーナス分に関しては出金はできませんが、ボーナスを基にトレードで獲得した利益は引き出せます。
>>海外FXの出金方法まとめ|手順や注意点、出金拒否の事例まで紹介します
>>海外FXブローカーのボーナス比較|新規口座開設/入金ボーナスのキャンペーンまとめ
日本語サポート
やはり日本語によるサポートはトレーダーの安心感に繋がります。今では、日本人のスタッフをサポート担当として配置しているブローカーも増えてきています。
たとえば、日本語チャットや日本語のwebセミナーがあるXMTrading、日本語によるサポートが整っているAXIORY、日本人スタッフが在籍しているGemForexなどは、特に日本人トレーダーに人気が高いです。
まとめ:スプレッド以外の面も総合的に考えて口座を選ぶ
海外FX業者を選ぶときにはスプレッドだけではなく、約定力やボーナスの有無、日本語対応、取引環境などを踏まえて考えた方が失敗しません。
さいごに重要なポイントをまとめておきます。
- スプレッドには変動と原則固定があり、海外FX業者は変動制
- STP口座ではスプレッドの中に取引手数料が含まれている
- ECN口座ではスプレッドだけでなく、取引手数料が発生する
- スプレッドは時間帯によっても変化する(早朝は広がりやすい)
- 同じ通貨ペアでもブローカーによってスプレッドは違う
- スプレッドが狭くて魅力的でもボーナス等のキャッシュバックがない場合がある
スプレッドが狭くてもあなたにピッタリ合った業者とは限りません。他の面も考慮してバランスの良い海外FX業者を選ぶといいですね。
海外FXにおける主要な14社は、こちらの記事でも詳しく紹介しているので参考にしてみて下さいね。